あともどりできないふたつの王国

 

むかし、ひとつだった王国は、お互いの意見は一理ある、相互に経緯を払う価値がある、と思いながらも、ふたつの異なった道を歩み始めた。

 

その時は、お互いが手を伸ばせば届く程度の距離だった。

 

しかし、ふたつの王国は自らの信じた道をまっすぐに進んだ。

(それはむしろ喜ぶべきことだったはずだ)

 

そして何年もの月日が流れ、今ふたつの王国は、互いの居場所がわからなくなるくらい遠く離れてしまい、手紙でしかその近況を知ることができない関係になった。

 

中略

 

もしそこに救いがあるとすれば、地球は丸いということ、そして、宇宙の謎が完全には解き明かされていないことだ。

 

それが地球である限り、離れ離れになったふたつの王国が歩む道は、いつかどこかでまた交わる。

 

その時は一瞬だ。我々は遠くまできてしまった。

そのときこそ、慣れ親しんだあの家に帰ろうではないか。

我々にはそれができるはずだ。