あの谷間の国道

 

ふと書きかけの文章を思い出した。

 

やはりあの国道は、狭い世界に生きる僕にとっては行き詰まりの象徴だ。

 

合流してくる道はたくさんあるが、そこから枝分かれする道はなく

 

集落の幅はもっとも細いところだと100メートルにも満たない。

 

言い換えると、合流してくる者はあっても、そこから出ていくには死ぬしかない。

 

ベトナム戦争には出口があったのだろうか。

 

君は、ベトナム戦争の中にいて、そこで君が愛するその人をみて、

 

また一方で、君は、君が愛するその子の眼を通して来るであろう世界を見る。

 

それは素敵なことのようにも思えるし、計り知れないほどのあきらめを強要されるようにも思える。