クルマ原風景その3(GX71三兄弟)

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中学から仲の良かったそいつは、僕が大学一年生の夏にはもう地元大手に就職して自分の車を転がしていた。

そいつの車は、トヨタチェイサー アバンテリミテッド。

その超クールな4ドア・ハードトップは、当時の若者が100万円くらいで買える型落ちのモテグルマの筆頭だった。

 

ちょっとヤンキー風なアイツは目つき鋭く大人ぶったセダンボディのクレスタ。いつも真ん中にいた二枚目のあいつはマークII。それなら俺は、エレガント(英語?)でスマートさの象徴の如きチェイサーか?というような、仲間内で選ぶのも楽しい三兄弟だった。

 

その1を読んで頂ければお分かりだと思うが、この頃の僕は自分の車の頭金を貯めるたのに必死だった。そして、一足先に自分の城(家じゃないが)を手にしたそいつが心底羨ましかった。

そいつは、ワークの5本スポークのアルミホイールを履かせたそのチェイサーで、僕を(当時まだ手書きの)地元のボーリング場に連れて行ってくれた。そして、タバコ一本どう?とタバコを勧めてくれた。僕は(「もちろん大学では吸ってるけどね。今日は持ち合わせてなかっただけだからさ」)という感じを装って吸ってみせたが、きっとそいつにはバレていた(当時19才だけど時効)。

自分の車をかまう(カスタマイズする)ということに関しては、その時のことが原風景だろう。そいつはビール瓶のような色をしたガラス容器入りの、赤と青のお洒落な芳香剤をダッシュボード中央に並べて飾っていた。タグのようなものがブラさっていた。

それがかっこよかった。

そして、ウッドのステアリングとカロッツェリア(パイオニア)の2DINのCD&カセットテープのオーディオに換えていた。それもかっこよかった。

さらに言うと、今思えば何がどうかっこいいのかわからないが、猫背で11時05分定位置の送りハンドルで捌くその運転スタイルも、かかっていた曲(Too Shy Shy Boy)も、惚れるほどかっこよかった。

とにかく、何もかもがかっこよかった。

 

僕はこの原体験から数ヶ月後にようやく自分の車を手に入れるわけだが、そいつのチェイサーは、言うまでもなく僕の車選びに大きな影響をもたらした。

その頃のC33ローレルのパールツートンといえば、初期型のそこそこのものでも100万では買えなかった。対して、一世代前になるGX 71ならば、100万円出せば最終型のリミテッドも夢ではなかったからだ。

僕は結局はローレルを選んだわけだが、それでも、ガソリンスタンドを訪れる、固形ワックスでピカピカに磨き込まれ、綺麗な(ちょっとヤンキーの入った)女の子を乗せたGX71を見るたびに、僕はうっとりしたものだ。

磨かれた白いボディにあの端正なサイドのプレスラインと、滴るほど黒いモール、そしてテールランプの真っ赤な輝きは、今も僕を魅了するかっこいい車の原風景として心の中を走っている。

 

うーん、もうすこし書きたいことがある車だな。