憧れた車たち(JZZ30)

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若くに結婚して間もない頃、峠や仲間と距離をおいた時期があった。誰もが通った道だと言われたら返す言葉もないが、家族を一人にしておけなかった。そんな時に、ちょうど30系ソアラのマイナーチェンジが行われた。 いずれはその時乗っていた車のローンを完済して、JZZ30の2.5GT-Tの5速マニュアルを新車で(ローン)買おうと思った日もあった。彼女も、それいいね、それまで我慢すればいいじゃない、と言ってくれた。

 

それもつかの間、僕はまたサーキットに戻ってきた。そういう蜜月は束の間ということだろう。あるイベントへの出場が決まったことを機に、全体的にヤレてしまっていたJZA70をリフレッシュしたくて、腕が良いという噂の大工さんのところへ預けた。敷居の高いところだと思っていたが、仲介してくれた年配の男性は気さくで、すぐに本人に会うことができた。そこで僕は、部品が出る限りのブッシュを新品に変え、エンジンを走行距離の少ないものに載せ替えた。そして、いくつかの補記類を新調した。

 

その車は見違えるようにしなやかで反応の良い運動性能を取り戻した。新車当時はもっと良かったのかと驚いた。峠を軽く流している時でもその効果ははっきりとわかった。その人はエンジンスワップを得意としていたから、僕の車に施した作業は地味なものだったと思うけれど、僕はその時、傷んだブッシュを交換するという味気ない作業の効果がとても大きいことに唖然とした。

 

その大工さんが普段の足として乗っていたのがJZZ30、1JZ-GTEを載せた深緑の初期型のソアラだった。特に弄っているわけでもなく、車高も落ちていなかったと思う。BBSのRSを履いていて、あまり洗わないせいか薄っすらと埃を被っていた気がする。

 

それから僕は、深緑のソアラに一目おくようになった。もし今の僕が選ぶなら、2.5GT-TではなくUZZ30、すなわち4リッター自然吸気エンジンを積んだ4.0GTの方だろう。あの後で最終的にT67による加給を得たJZA70や、エンジンの中身まで触ったSR20にRB26DETT、珠玉のS65を乗り継いできた僕だからこそ、たっぷりとしたトルクで低く美しい音色を奏でながらゆったりと走る、その深緑の4.0GTの方が、家と仕事場の往復だけの毎日に合っている気がするから。

 

本当は新緑の2.5GT-Tを描きたかったけれど、モデルにした写真の色合いを変えてまで深緑を表現する力が僕にはなかった。

 

その車のいちばん良いところ、気に入ったところを最大限に表現するのが僕の拙いイラストの信念なのだが、至らなかった自分が情けない反面、途中で挫折しそうになったけれど持ち直したことは素直に褒めてやりたい。